2023年3月28日火曜日

3月27日東リ伊丹工場へ職場復帰!

  3月27日、東リ伊丹工場へ5人揃って職場復帰することが出来ました。2017年3月末に職場を追い出されてから、ちょうど6年になります。

 その当時、5名は請負会社の従業員として東リ伊丹工場で働いていました。しかし、その働き方が偽装請負だったため、兵庫労働局へ偽装請負を申告し、そして請負会社で組織したL.I.A労働組合の組合員のうち4名が、労働者派遣法40条の6「労働契約申込みみなし制度」に基づき、先行して直接雇用申し込みみなしの承諾を東リに通知しました。

 同制度によれば、違法派遣・偽装請負を受け入れている企業は、その労働者に対し、直接雇用の申込みをしたとみなされ、労働者がそれを承諾すれば、労働契約が成立することになります。

 ところがちょうどその頃、東リの意向によって請負会社の全従業員が、別の派遣会社に移籍することになっていて、あろうことか突然16名いた組合員のうち11名が組合を脱退し、組合に残された執行委員長と承諾通知した4名の計5名が、派遣会社から不採用とされ、東リの職場を追い出されたのでした。

 それから6年の苦闘の末、東リの正社員として職場復帰しましたが、その間、一審の神戸地裁で不当判決を出されるなど、厳しい闘いが続きました。当該の中には、生活困窮に陥ったものもいましたが、決して諦めることなく闘い続けました。

 その結果、2021年11月7日大阪高裁で逆転勝利し、裁判所は、東リが偽装請負を行なっていたと判断した上で、司法において「労働契約申込みみなし制度」を初適用し、5名が東リの従業員としての地位があることを認めました。裁判において偽装請負から直接雇用が認められるという画期的判決になりました。

 しかし、その後、東リは判決を受け入れずに最高裁へ上告しました。昨年6月4日、最高裁は東リの上告を棄却し、判決が確定し、5名は晴れて東リの従業員となりました。

 東リの従業員となったものの、それで全てが片付いたわけではありませんでした。東リは5名の就労を拒否し、賃金の一部は支払っているものの、自宅待機を命じていました。

 組合は何度も団体交渉を行なって、就労を求めましたが、人員充足を理由に5名の就労を拒否し続けました。挙句の果てに東リは金銭による契約解除を求めてきました。5名は金銭解決を断固拒否し、就労を求め続けました。その結果、ついに東リは5名の就労を認めざるを得なくなりました。

 勿論その間、兵庫労働局が東リに対し、就労を促す助言を行い、更により強い指導を出すべく動いていましたし、また昨年の判決確定後、東リ伊丹ホールのネーミングライツの見直しを伊丹市に申し入れ、その件で伊丹市が東リに事情説明を求めていたとも聞いています。それらのことが大いに東リへのプレシャーになったことは事実でしょう。

 しかしながら、当該5名が金銭に心を踊らされず、頑なに職場復帰を求め続けたことが、この勝利をもたらしたことは間違いありません。これは非正規労働者が闘いによって正社員を勝ち取った画期的勝利です。

 支援者の皆様にも、これまでの闘いを強力に支えて下さったことに深く感謝いたします。これから職場でどんな問題が発生するかもしれませんが、5名がこれまでの闘いの中で培った強い精神力によって乗り越えることができると信じています。

 これからも引き続き皆様からの励ましがあれば、幸いに思います。




2023年3月19日日曜日

2022年12月2日、L.I.A労働組合は「全東リなかまユニオンに改名しました。

 

昨年6月4日の最高裁の判決確定により組合員5名は東リの労働者となり、東リで組合活動をするためには、組合規約の改正が必要になりました。そこで組合名も、それに相応しいものに改名しました。東リで働く労働者であれば、雇用主にかかわらず、パート・アルバイト、派遣労働者など誰でも入れる労働組合です。それに伴なって「L.I.A労組を勝たせる会」も、「就労を求める全東リなかまユニオンを勝たせる会」に改め、12月2日の総会で承認を得ました。

 

3月27日、私たち5名は伊丹工場で就労します!

6年の苦闘の末、職場復帰を勝ち取る!

 2017年3月末に東リの職場を放り出された私たち組合員5名は、6年間の闘いに勝利し、3月27日から職場復帰します。

 

 2021年11月7日、私たちは大阪高裁において勝訴し、東リとの直接雇用が認められました。その後、東リはその判決を受け入れず、最高裁へ上告していましたが、昨年6月4日最高裁は東リの上告を棄却し、判決が確定しました。それにより私たち5名は、東リの社員として認められました。

 

 元々、私たちは請負会社の従業員でしたが、その働き方が偽装請負であったため、派遣法40条の6「労働契約申込みみなし制度」に基づき、東リに対して直接雇用を求めました。この制度によれば、偽装請負・違法派遣を受け入れている企業は、その労働者に労働契約を申し込んだとみなされ、労働者が申し込みを承諾すれば労働契約が成立します。私たち5名も、その制度に基づいて東リに承諾を通知し、裁判でそれが認められたのです。

 

 最初に東リに対して直接雇用を求めたのは2017年3月のことですが、当時、伊丹工場の工場長の要請に従って、請負会社の従業員は全員、工場長が手配した派遣会社シグマテックに移籍することになっていました。ところがシグマテックの採用直前に、請負会社の従業員で組織するL.I.A労働組合の組合員16名のうち11名が一斉に組合を脱退し、組合に残った5名のみが、シグマテックから不採用とされ、職場を追い出されてしまったのです。組合脱退者と非組合員は全て採用されたにもかかわらず。

 

 シグマテックの組合員5名の不採用については、2019年4月25日兵庫県労働委員会で不当労働行為が認定され、シグマテックに対し「(組合員5名の)不採用はなかったものとして取り扱い、2017年3月20日の面接時に面接した組合員に提示した条件で、同年4月1日付で組合員らを雇用し、同日に伊丹工場の巾木工程及び化成品工程に派遣した者と同様の契約更新をするという救済を行うことが適切である」という救済命令が出ています。命令書には「シグマテックの不当労働行為は東リの意向を慮ったことに起因すると推認される」と言及されています。この件は、現在も中央労働委員会で係争中であり、近々命令が出される予定です。

 

 さて、昨年6月4日の最高裁の判決確定以来、東リは私たち5名に「人員充足のため働く場所が無い」という理由で、自宅待機を命じていました。判決確定にもかかわらず、その後も就労を求める闘いが8ヶ月余り続きました。昨年7月には兵庫労働局から東リに対し、私たち5名を就労させるよう助言が出されていましたが、東リは無視していました。最近になって、労働局がさらに強い指導あるいは勧告を出すべく動いていたので、東リはとうとう就労を認めざるを得なくなったようです。その間、東リは金銭和解による雇用契約解除を求めてきましたが、私たちはそれを断り、就労を求め続けてきました。そして、ようやく私たちの思いが叶い、職場復帰を勝ち取ることができました。

 

就労は実現したが、未解決の問題が

 3月27日から私たち5名は、東リ伊丹工場で就労しますが、それで全てが解決したわけではありません。未解決の問題が残されています。私たちは、判決によって、2017年4月1日(1名は同年8月25日)から東リの社員となっています。東リの社員はすべからく東リの就業規則が適用されます。しかし、東リは私たちに対しては、本年3月27日から就業規則を適用し、それ以前については、請負会社の労働条件が適用されるとしています。就業規則の適用時期の違いによって、過去の一時金の未払いや賃金差額、定年退職と再雇用時期、それに伴う退職金の有無の問題が生じ、私たち組合員は大きな不利益を蒙ります。東リの社員なのに、なぜ東リの就業規則が適用されないのでしょうか。おかしいではありませんか。この問題を解決するために、是非ともみなさんのご理解とご支援をお願いします。