東リと闘う当事者の思い

 私が東リと闘おうと思った一番の理由は、東リ伊丹工場を追い出される前のこと、20代や30代の若い非正規労働者が結婚をし、そして子供を授かって家庭を築き挙げてるにもかかわらず、それが不安定な雇用の上に乗っていることに深い憤りを感じたからだ。この人たちの将来を考えたとき、昇給もない、いつ仕事を失うかもわからないという状況で、果たしてこのままで良いのだろうか。私としてはせっかく直接雇用のチャンスが訪れたのだから、雇用の安定を求めてみんなで力を合わせて闘うべきだと考えた。しかし非正規労働者たちの考えは、現状に慣れてしまっていて、問題を起こさず大きいものに従っていれば良いというものだった。結局、闘うものは少数派であり、残念ながら私たちは職場を追われる結果となってしまった。
 今、私は直接雇用、職場復帰を求めて闘ってはいるが、自分自身の本来の目的は個人的なことではなく、あくまでも次世代を担う若い人達に何か残せないかということなのだ。この闘争に勝利することによって、何か世の中に変化が起こせたらなと思っている。