2019年9月25日水曜日

厳しい現実。でも、あきらめずに闘うぞ!

 8月28日(水)18時から、阪急伊丹駅東側バス停付近で東リ偽装請負争議の街頭宣伝活動を行いました。私がマイクで伊丹市民の皆様に訴えかけている時に、今働いている派遣先の工場のラインリ-ダ-(係長職)が通りかかり、大きな声で「頑張れよ」と声を掛けてくれました。突然のことで少し恥ずかしく思いましたが、大きな励みにもなりました。また、快く公正判決を求める署名もしてくれました。

 それからバスを待っていた一人の方が、私たちの闘いに興味を持ち、自らビラを受取りに来られ、署名もしてくれました。少しお話しましたが、その方が勤めている会社も、過去2回労基署から指導を受けた事があると仰っていました。しかしその後も会社は何事も無かった様に、全く反省をしていないと嘆いていました。やはり労働者自らが闘わない限り、会社は変わらないんだと思い、私たちが自らの闘いを勝ち抜くことは大切なことであると改めて感じました。

 9月10日(火)にもJR伊丹駅前で街頭宣伝を行い、この10か月間、定期的に街頭に立って争議の訴えをしてきましたが、回を重ねる毎に、ビラの受取りがだんだん良くなって来ていると感じています。地道な活動ですが、これからもコツコツ積み重ねて行きたいと思います。

 最後に私事ではございますが、今働いている派遣先の工場が、業績不振に陥り人員削減をする事になりました。大変辛いことではありますが、私自身もその影響をモロに被って9月30日以降の契約更新がなされず、新たに仕事を探さなければなりません。現在、派遣会社に、次の派遣先をお願いしています。しかし私の年齢が56歳ということもあって求人が少なく、またエントリーの時点で断られるといった状態で、未だ10月からの仕事が決まっていません。非常に厳しい状況ですが、あきらめずに頑張って参ります。

L・I・A労働組合
執行委員長 藤澤 泰弘

阪急伊丹駅前街頭宣伝

藤澤委員長


2019年9月4日水曜日

東リ偽装請負裁判は証人尋問が終わり、11月15日結審へ!


 7月12日に続いて、2回目の証人尋問が8月9日に行われた。神戸地裁には45名の支援者が傍聴に詰め掛けた。傍聴席は40席で、先に被告東リ側が6席を占めていたため、9名が溢れる結果となった。途中、傍聴者の入れ替えもあったが、全く法廷に入ること出来ずに、裁判所を後にした人も出た程だ。それから前回と同様、労組関係の応援も多く、総勢9団体に上った。

 証人尋問は被告東リの主尋問から始まった。伊丹工場の前工場長N氏である。N氏は毎朝工場内を巡回していたが、各工程の業務については把握しておらず、現場における原告らへの指揮命令は、もっぱら東リ正社員のスタッフ行なっていたので、「Tスタッフはしていないと言ってました」「Tスタッフはそのようなことは言ってないと聞いてます」と伝聞の話ばかりをしていた。原告側は伊丹工場巾木工程の業務に携わっていたTスタッフを証人として呼び出す意向だったが、東リが拒否したので、一旦裁判所が保留としていたが、結局それは実現しなかった。

 被告側N氏の主尋問は苦しい言い逃れが目立った。例えば原告藤井氏前回の証人尋問で、始業前のミーティングにはTスタッフが同席していたという証言に対し、「T氏は出勤が午前8時なので、7時始業前のミーティングには参加できない」と反論した。しかし巾木工程は3交替制なので、午後3時の始業前のミーティングには参加していたのである。またT氏が巾木工程向けに作成した報連相の指示文書について、「請負社員のH氏から頼まれて作った」と明らかに嘘とわかる証言もあった。
 村田弁護士から前工場N氏への反対尋問は請負と派遣の契約についてであったが、東リは過去において、どのような契約を結んでいたかについては明らかにしておらず、N氏は「わかりません」という答えに終始した。2017年以前の派遣契約についても、N氏は責任者でありながら内容を把握しておらず、派遣の期間制限を示す抵触日の告知もやっていなかったことがわかり、東リの杜撰な管理体制が露わになった。

 裁判長は「請負の時と、派遣に切り替えた時、新たな派遣会社に引き継がれた後、何か業務に違いはありますか」とN前工場長に質問したが、N氏は「指揮命令の問題だけですので、業務には違いはありません」と答えた。つまり指揮命令権が東リにあるか請負会社にあるかという違いだけで、派遣であろうと請負であろうと、現場での実態は何も変わらないということである。

 原告有田の主尋問では、膨大な証拠を元に証言を積み重ねて行った。25分という短い時間ではあったが、前回の証人尋問で不足したことを含め、概ね言いたいことは言えたと、原告弁護団は満足気だった。

 被告側からの反対尋問では、東リからの指示については安全上、品質管理上のことであると印象付けようとしていた。これは労働局の偽装請負の判断に沿った考えで、安全上、品質管理上、緊急かつ必要とされることは日常的指揮命令とはならないとしている。しかしこれはあくまでも厚労省の告示に基づいた労働局の見解である。村田弁護士が言うように偽装請負の判断は独立性、専門性、指揮命令など総合的になされるべきで、この裁判で村田弁護士が強調したのは、原告らが働いていた工程は東リの一部であり、東リシステムに組み込まれていたということである。日常の指示は熟練工になればなるほど必要でなくなり、その結果、指示がほとんどないからといって、偽装請負でないという考え方は、実態を無視したものと言わざるを得ない。

 報告集会で村田弁護士は「証人尋問は有利に進んだと感じるが、これで勝てなかったら裁判所に騙されたというしかない」と言ったが、多くの傍聴者もそう感じたかもしれない。次回11月15日期日は結審し、来年早々には『労働契約申込みみなし制度』の初めての判断が示される。良い判決を期待したい。

8月9日裁判報告集会