2月21日の夕刻、阪急伊丹駅前で街頭宣伝を行っていたときのことですが、バスを待っている人達にビラを配っていると、一人の女性が、私の訴えを熱心に聞いてくれました。彼女は「私の知り合いが、昔パナソニックのディスプレイを作っている工場で、派遣切りになったのよ。」とおっしゃられました。それは10年前、パナソニックPDP偽装請負事件があった時期のことのようです。彼女によると、その知り合いは男性で、当時55歳だったのですが、「家もあるし、家族子供もいるのに、これからどうしたらいいねん。」と怒り心頭だったとのことでした。
「私も東リ伊丹工場から排除されて、仕事を奪われたのも、その人と同じ55歳でした。」と私は答えました。その時、私は自分と全く同じ痛みを抱えている人が他にもいるんだと思って、このような不正が許せないと改めて思いました。
彼女はやってきたバスに乗車される時、笑顔で「お父さんも風邪を引かないようにね。頑張って下さい」と励ましてくれました。その言葉が凄く嬉しかったのと、この様な地道な活動でも、少しづつ人々の耳に届き、私たちの訴えが広まっていくのだと感じました。
L.I.A労働組合 執行委員長 藤澤 泰弘