2021年9月8日水曜日

Change.orgでネット署名始めました ご賛同をお願いします。

  大阪高裁の控訴審は7月13日結審し、判決日が11月4日に決まりました。控訴審開始当初から、清水響裁判長は、東リの偽装請負の実態解明に積極的な姿勢を見せていました。心配だった一発結審を逃れ、控訴審は結審まで7回の期日を重ねました。3月9日には証人尋問も行われ、本来であれば採用されるはずの無い、一審の神戸地裁で採用された原告証人を、再び控訴審でも採用するという異例のことまで起こりました。これは裁判長が、一審判決に疑問を持っている証拠と言えます。

 しかし、いくら有利に審理を進めていても、実際に立場の弱い労働者が大企業相手に裁判で勝つことは非常に困難です。一審でも勝てると信じていましたが、結果的には不当判決で終わってしまいました。

 201510月施行の改正労働者派遣法の『労働契約申込みみなし制度』(違法派遣・偽装請負を受け入れていた企業は、その派遣労働者に対し労働契約を申し込んだとみなす。労働者が承諾の意思を示せば、労働契約が成立する。に基づくこの裁判は、全国初の試みであり、もしこれに勝利すれば、その他の違法派遣・偽装請負状態にある非正規労働者にも直接雇用のチャンスが生まれます。これまで、企業が違法派遣・偽装請負を受け入れても、裁判において雇用責任を取らせたケースはありません。それでは違法企業がはびこるのを止めることはできません。この流れを変えることができるのは、この裁判に勝利することであり、そのためには、社会的な力で裁判所に公正判決を求めて行く必要があります。『公正判決を求める署名』を判決直前まで続けて参りますので、ぜひとも、皆様のご協力をお願い致します!

クリック  https://chng.it/W7t2FMMh


ネット署名


2021年9月1日水曜日

控訴審、遂に結審! 判決は11月4日

  7月13日、東リ偽装請負事件の控訴審は、最後の準備書面の提出が終わり、7回目にしてようやく結審しました。5月20日に結審予定でしたが、労働契約成立後の契約期間について、既に契約が終了していて、存在しないとする東リ側の主張に対して、裁判所からL.I.A労組側に求釈明があり、そのために期日が2回追加されました。L.I.A労組側は無期雇用であると反論し、それに対し東リ側が再反論、更に双方が反論書面を応酬し合いました。清水響裁判長は双方の主張が出揃ったと判断し、審理の終了を告げました。

 そして最後の締め括りとして、L.I.A労組の藤井啓志書記長が意見陳述を行いました。私生活では父親の介護に明け暮れ、生活が厳しい中、闘いを継続していること、東リで働いていた時は、長年働いているにもかかわらず、正社員との広がる賃金格差に納得がいかなかったこと、それを改善するために東リに話し合いを求めたが、一方的に職場を追い出されたことなど、憤りや苦しさを切々と訴え、裁判所に公正な判決を出すよう求めました。意見陳述が終わった時、傍聴席から大きな拍手が湧き起こりました。

 藤井書記長の意見陳述が終わり、裁判長から判決日が示されました。さあ、いよいよ判決を待つだけとなりました。


判決言い渡し 11月4日(木)13時15分 大阪高裁 法廷未定


7月13日裁判報告会




3月9日証人尋問

  3月9日、大阪高裁で東リ偽装請負事件の第4回控訴審が開かれました。この日の裁判は、一審の地裁も含め、一連の裁判の中で、最も大きな山場となる証人尋問でした。証人はL.I.A労組副委員長の有田。証人は一度、一審でも採用されているので、高裁で重複して採用されるのは異例のことです。これは清水裁判長が、神戸地裁のデタラメな判決に、明らかに疑問を持っていると言えます。

 証人尋問は主尋問20分、反対尋問20分の計40分の短い時間でした。主尋問の目的は、控訴人らが働いていた東リ伊丹工場の請負工程を、実際は東リが自社の工程と同じように、伊丹工場の一部として取り込んでいることを明らかにすることでした。一方、反対尋問の東リ代理人からの質問は、主に請負会社の労務管理に関するもので、請負会社が独自に残業許可や人員配置をしており、独立した事業者であると主張するものでした。

と主張するものでした。

 証人尋問を終えて、弁護団長の村田浩治弁護士は、意図していたことを十分に裁判官に伝えることができたと満足していました。

 証人尋問の後、裁判長は、東リに対し、以前から釈明を求めていた受発注のプロセスに関して、真正面から答えていないとして、再度、釈明をするよう求めました。一つは請負から派遣に切り替わった時、「受発注のプロセスが廃止された」との東リの主張に対し、事実として変わったのか、それとも法的位置付けが変わったのか、さらに自社の工程と違いはあるのかということを、次回までに回答するよう求めました。

 それから裁判長は前回の控訴審で、東リが前工場長の長森氏の証人尋問を申請していたことについて、公平を期すために、長森氏の尋問を行うかどうか、東リに意向を聞きました。東リ代理人は撤回すると答え、これにより裁判は結審に進むことになりました。


東京総行動