2019年8月5日月曜日

裁判報告(第一回証人尋問)

 7月12日、一回目の証人尋問が神戸地裁で行われ、証人としてL.I.A労組の藤澤委員長と藤井書記長が証言した。この日38名の支援者が傍聴参加したが、東リ側の傍聴者6名が先に傍聴席を占めていたため、4名が法廷に入ることができなかった。
 主尋問では原告らがまだ製造業派遣が認められていない1999年頃から、実態は派遣労働でありながら請負労働と称して、正社員と混在状態で働き始め、正社員から管理監督されながら仕事を教え込まれてきたこと、そして徐々に請負会社の従業員だけで仕事を行うようになった過程を証言した。しかしその後も依然として東リのシステムに組み込まれ、東リの管理体制下に置かれて正社員となんら変わらない業務実態であり、請負会社には独立性、専門性は全くなかったことを証言によって明らかにして行った。原告代理人村田弁護士は、東リの日常的な指揮命令だけを偽装請負の判断材料とするのではなく、原告らの業務が東リと一体化していることを強調する狙いがあった
 反対尋問では原告の主張する事実に対して、ほとんど争いは無かった。被告弁護士の尋問の中で目立ったのは、東リから出される日常の指揮命令については、安全上または品質管理上必要であったと印象付けようとしたことだ。
 証人尋問の最後に裁判官から質問があったが、それは原告が証言した東リの指示が「どのくらいの頻度であったか」ということだった。「週に何度か、月に何度か」と頻度によってその指示が日常的なものであるかどうか判断しているのかもしれない。しかし実際に現場に立ってみれば、東リの正社員は常に原告らの業務遂行に目を光らせ、逐一報告を求め、問題が起こった時に指示を発していたのであって、例え毎日指示はされていなくても、それは日々東リの指揮命令下に置かれているということではないか。第2回証人尋問では東リの指示が発注者として必要かつ緊急的なものではなく、日々の管理体制から出ていることを強調して行く必要があるだろう。

第二回証人尋問
8月9日(金)13時30分〜
神戸地裁204号法廷

7月26日東リ東京/前